熊谷高校校長室より

平成二十四年度卒業証書授与式校長式辞

 

 明るい日差しが春の訪れを告げる今日の佳き日に、「埼玉県立熊谷高等学校第65回卒業証書授与式」が、挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びであります。本日は、御多忙の中、卒業生の前途を祝福するために、御臨席下さいました御来賓の皆様方に、まずもって厚く御礼を申し上げます。
 
 ただいま、卒業証書を授与された358名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。この日を迎えられたことは、皆さんの三年間の努力はもちろんですが、御家族の愛情と教職員の支えがあったればこそです。お陰様という感謝の気持ちを忘れないで欲しいと思います。

 皆さんが入学した時に、古川前校長先生が話した三つのことを覚えていますか。「可能性に挑戦する」「学ぶ心を深める」「一生ものの友を得る」です。これらを実現できましたか、一人一人考えてみて下さい。皆さんは、熊谷高校での三年間、「学業の文、部活動の武、学校行事の行」の文武行に熱心に取り組んできました。学業はもとより、部活動、臨海学校、四十キロハイク、体育祭、文化祭、修学旅行、各種スポーツ大会など、人生において大切な時期に「仲間」と過ごした三年間は、皆さんにとって、「一生ものの友を得る」機会となり将来、有意義なものになると思います。
 私とは、1年間の付き合いでしたが、真剣に授業を受けている姿、部活動で汗を流している姿、体育祭で、男子校ならではの競技もありましたが、真剣に取り組んでいる様子、スポーツ大会で燃えていたこと、特に水泳大会は私自身も水にまみれ、とても印象的でした。

 さて、皆さんは、今日社会に巣立って行きますが、皆さんの巣立って行く社会には、課題が山積しております。例えば、経済の不安定や格差の拡大、東日本大震災と原発事故に伴う復興やエネルギー問題などです。
 しかし、私は、一人一人がその役割を果たし懸命に生活すれば、心豊かで住み良い社会へと変えていくことができると信じています。今こそ、歴史を創るチャンスです。  
その社会への船出にあたり二つのことをお話しします。
  一つ目は、「志や夢を持て」と言うことです。
 幕末の若き教育者「吉田松陰」は、「志を立てて、以て万事の源となす」と説いています。志を立てることが全ての源となる。高い理想をもち続けることが大切ということです。人が何かを見つけて進むときに、心の中にどうしても消えない「情熱」という炎があります。この炎を大切にしてください。これが志の源となります。

  今後の数年間は、熊谷高校での3年間で培った基礎基本の上に、確かな骨格を組み立てる時期に当たります。より深く専門的な学習に取り組むとともに物の見方・考え方、職業観などを確立し、志や夢の実現を目指して下さい。

  惜しくも進路が決まっていない諸君、これからの長い人生での1年位は大丈夫です。頑張ってください。
アメリカ人クラーク博士が、札幌農学校の教頭を辞して日本を去るにあたって、教え子たちに贈った諸君らも知っている言葉「少年よ大志を抱け《 Boys, be ambitious. 》」を贈ります。
 二つ目は、「人との出会いを大切にして欲しい」と言うことです。
 皆さんは、本校で多くの人と出会いました。そして、卒業後にも、沢山の人と出会います。その中にはあなた方の人生を変えるような人とも出会うはずです。私もそうでした。でも、それに気付かない人がいます。また、気付いても反応しない人もいます。どうか出会いの一つ一つを大切にしてください。また、出会った人から沢山のことを学んで、自分を常に高めてください。

 結びになりますが、保護者の皆様には、ご子息の御卒業、誠におめでとうございます。ご子息を18年間育て、今日を迎えました。喜びも「ひとしお」と思います。皆様には、3年間PTA会員として、本校の教育活動に温かい御理解とお力添えをいただきました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

また、ご多忙の中ご臨席下さいましたご来賓の方々におかれましては、これまでお寄せいただきました本校へのご支援並びにご協力に心より感謝申し上げます。

 卒業生の皆さん、本日まで育てていただいた保護者やお世話になった皆さんに感謝し、「赤甍」から、それぞれの世界に旅立ってください。皆さんのご健闘とご活躍を心から祈ります。熊谷高校は、いつでも皆さんを応援しています。

  平成25年3月16日   埼玉県立熊谷高等学校長   赤松峰親


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